新年度あいさつ

今年度の冬は厳しい寒さが続きましたが、園路沿いには桜・梅・つつじ等の花が咲いて、学園にも春が来たことを教えてくれています。その中で利用者の皆さんは、日増しに強まる日差しを体に受けて、木々の彩り以外にも野鳥のさえづりや吹き渡る風など、森の自然を「こころ一杯・からだ一杯」で感じながら作業活動を行っています。
さて、健康の森学園が参考とした北海道家庭学校では、「厳しい自然環境や不自由な生活環境の中で人が成長する」という理念により、厳寒期にはマイナス30度にもなる中で、農業を中心とした活動を現在も進められています。
一方、健康の森学園では大地育人の理念のもとで、開設以来27年が過ぎて28年目を迎えており、今年度は7名の新入所生を迎えて51名でスタートしています。家庭を離れて初めての集団生活をする新入所生の皆さんにとっては、本人も家族も大変不安な状況の中での生活になっていると思います。施設としては安全面に加えて健康面と精神面での見守りと支援を行う中で、早くここでの生活に慣れるとともに、将来の自分について、どこでどのような生活をしたいか、そのためには今の自分は何ができるようにならなければいけないのかを考えるようになってほしいと思います。
年度初めのこの時期には「計画なきところに実践なし、実践なきところに成果なし」という言葉を良く耳にします。本人・保護者・職員での3者懇談で作成する個別支援計画に基づいて、昨年度以上に生活面や作業面の中で本人のできることが増えて、保護者の方にさらに喜んでいただける今年度にしたいものだとおもいます。

 

 

社会福祉法人 健康の森学園
施設長 真鍋 衛